防災三昧 by 地震前兆ラボ - 地震前兆研究家の百瀬直也による地震予知・予測・防災情報

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平成28年熊本地震(熊本地震)M6.5~デマや流言に注意~被害が集中した地域は?~台湾の林湧森氏が予知

昨夜4/14 21:26に発生した熊本県熊本地方のM6.5(当初発表はM6.4)の地震の続報を。
この地震は、気象庁によって「平成28年熊本地震」と命名された。
気象庁では、今後1周間は激しい揺れを伴う地震があるという。


政府がこうして災害に名前を付けても、その通りに呼んでもらえないんですね。
3.11の時もそうでしたね。
東北地方太平洋沖地震」なんて、私もパッと思い出せないこともある。
東日本大震災」の方が圧倒的に知られている。
でも地震の名称と震災の名称は、必ずしも一致しないのだけど。


命名後も、マスコミでは「熊本地震」などと呼ばれている。

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【目次】


亡くなられた方々にはご冥福をお祈りしたい。
そんな中で、一つだけ明るいニュースがあった。
押しつぶされた民家の下敷きになり、絶望視された赤ちゃんが救出されたという。

奇跡の赤ちゃん救出

震度7を観測した熊本県益城町の倒壊した住宅で、15日3時45分ころ、生後8か月の女の子の赤ちゃんが助け出された。
救出の様子を熊本県警察本部が撮影した映像が公開された。


赤ちゃんがいたのは、木造2階建ての1階にある寝室だった。
地震によって1階が押しつぶされ、2階部分が落ちてきた。
「娘が取り残されている」と通報を受けた消防隊員や警察官が現場に駆けつけ、救出作業が開始された。


祖母によると、あっという間に家が崩れ落ちて、赤ちゃんが取り残された。
大声で名前を呼ぶと泣き声が聞こえたが、がれきに阻まれて入っていけない。
母親ががれきの隙間から手を伸ばすと、女児の手に触れることはできた。


到着した消防隊員が、声が漏れ聞こえるポイントに穴を開け、中に入ろうと試みた。
だが、強い余震が続いているために断念。
時間がたつにつれ、泣き声が聞こえなくなる。


消防隊員と警察官が手作業でがれきをかき分け、自衛隊がチェーンソーを使ってがれきを除去した。
15日午前3時半ごろ、捜索隊が女児を救出して、無傷で助かった。
赤ちゃんは、崩れた柱と柱の隙間にできた小さな空間にいて、運良く屋根や柱に押しつぶされずに済んだ。
女児は元気で、母親が抱き締め、「家族みんなで泣いた」と祖母が語る。


こういうのを、本当の「奇跡」というのだろう。
50年近くスピリチュアル世界を探求してきた人間としては、やはり「見えない存在」によって助けられたとしか思えない。
赤ちゃんというのは、特に将来があるからということで、特別に守られていることが多いようだ。
だが、そういうことを信じない人々にとっては、「偶然に起きた」出来事なのだろう。


下記の写真を見ると、泣くこともなく、ほとんど不安の表情が見えないではないか。
私には2歳と4歳の子供がいるが、赤ちゃんの時には天井を見つめて、まるで誰かにあやされているかのような表情を浮かべることがある。
そのようにして、不安を与えないようにあやしていた存在がいたのかもしれない。


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YouTubeのニュース映像を貼り付けておく。


デマや流言など

このような大災害になると、デマや流言が飛び交うのが常だ。

昨夜Twitterでは、地震のせいで動物園からライオンが逃げ出して街中を歩いているというツイートがあり、3万前後もリツイートされた。


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これはnetgeek編集部の調査により、4/12にヨハネスブルグで起きた事件ということがわかった。
デマだとバレてからは、「誰がここが熊本だと言った」と開き直ったが、最初のツイートでちゃんと「熊本」と自分で書いたのを忘れるほどオバカだった。
本人は居たたまれなくなったようで、早々にTwitterアカウント@Nanahosi1222は削除されたようだ。


netgeek.biz


他にも、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」といった悪質なデマも流れたようだ。


SNSの中でも、Twitterというのは本当にこのようなデマが流れやすい。
一つには、他の人たちから流れてきた情報を、自分の頭で考えずに「すごい」とか「おもしろい」とか言って右から左へと流れるから、倍数的に拡散されていくのだろう。
かくいう私も、Twitter初心者の頃は色々失敗したものだった。^^;


それにしても、「朝鮮人」というのは明らかに潜在的な人種差別の心があるからこそ流す人がいるのではないか。
Twitterに限らず、Facebookなどでも、外部から得た情報をシェアする(流す)方にも責任はあるだろう。
それは私のようなブロガーでも同じ。
肝に銘じておきたい。


たとえば上記のライオンのデマを流した人間を罰することができるのだろうか。
下記のニュースで、ネットでの情報発信に詳しい深澤諭史弁護士は、こう語る。

「まず、デマを流すこと、嘘を公表することそれ自体を、直接処罰する法律はありません。しかしデマを流して、警察や消防、動物園に無駄な対応をさせた場合、偽計業務妨害罪が成立する可能性があります」
headlines.yahoo.co.jp


この場合では、「無駄な対応」がされなくて、運が良かったというか、悪かったというか…。
また、デマで他人の名誉を傷つけたら、名誉毀損罪になる可能性があるそうだ。
深澤弁護士は語る。

「デマが名誉毀損にあたるかどうかは、その内容次第です。しかし、たとえば動物園からライオンが逃げたというデマなら、動物園の管理がまずいということになり、動物園やその管理者の評判を落とす行為ともいえます。名誉毀損になる可能性はありますね」
(ソース:同上)


今回の場合、そこまで考えたわけではないだろうが、具体的な動物園名は挙げていなかったので、これも処罰の対象外となるわけだ。
今はなくても、そのうちこのようなネット上で犯罪的行為を行う人間を取り締まる法律ができるかもしれない。


今日Facebookで流れてきたのは、昨日の熊本地震では「陸上自衛隊高遊原分屯地が震源だった」いう説だ。
いったい何を言いたいんだか。
自衛隊が人工地震
実際にGoogle Earthで調べてみると、下記のマップの通り、震源からはずれている。


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もっとも、これは元のUSGSのデータの精度が悪い可能性もあるが。


また、自然な地震としては震源が浅すぎるので人工地震に違いないという噂も流れた。
バカタレ、それが活断層地震というもんだよって。(^o^)


もっと言うならば、これだけ頻繁に震度6強とかの余震を引き起こすほどの技術って?


べつに人工地震説を全否定するつもりはないけれど、このような陰謀論を唱えるほとんどの人々には「もうちょっと地震のことをお勉強してね」と言いたくなってくるのだ。

過去の熊本地震との比較

熊本で過去に起きた大地震としては、1889年(明治22年)7月28日23時45分に発声した「熊本地震」がある。
震源金峰山の東麓で「金峰山地震」とも呼ばれる。
昨日の地震と規模的に近いが、同様の被害が出た。


だが、この地震の場合、別の活断層が動いた結果の地震だったようだ。
位置からすると、立田山断層での活断層地震と推定される。


下記の図のうち、左側で赤で示されるのが立田山(たつだやま)断層で、右側の図が布田川・日奈久(ふたがわ・ひなぐ)断層帯だ。


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昨日の地震が起きたのは、九州で最も長いとされる布田川日奈久断層帯の上。
政府「地震調査研究推進本部」による評価では、布田川断層帯で今後30年以内にM7.0クラスが起きる確率が0~0.9%。
日奈久断層帯では、30年以内にM7.5クラスの確率が0~6%としている。
これでも、地震が発生する可能性は、それぞれ「やや高い」、あるいは「高い」とされるグループに属する。


それだけ活断層地震というのは、数千年か数百年単位の長いタイムスパンで考えるものだということ。
今回は地震の規模がM6.5だったため、国が想定している地震が起きたことには否定的だという。


気象庁はこの地震を「横ずれ断層型」としている。
これは、内陸部で起きる地震の一種で、地殻にすれ違う力が働き、断層面が水平方向にずれることで起きる地震のこと。
地震の加速度が横方向に働く特徴がある。

被害が集中した地域

被害の多くは、秋津川の川辺、特に北側の地域に集中していた。
古い木造住宅ばかりだ。
また、40年前に畑から宅地に造成された家もあったようだ。


下記の秋津川周辺のマップは、NHKの21時のニュースより。


https://www.instagram.com/p/BEOKesTo2o8/
今夜4/15 21時のNHKニュースより。昨夜の熊本地震M6.5で最大震度7の益城町で、被害は、秋津側の川辺に集中していた。湿地で特に地盤が弱く、古い木造家屋が倒壊したようだ。このような図にすると顕著にわかるものだ。気をつけて。#地震 #地震予知 #探求三昧


現時点での少ない情報からいうと、川沿いの地盤が弱い地域で、しかも古い木造家屋で倒壊などの被害が大きくなったようだ。
地盤の重要さは、これまで何度も強調してきたが、阪神淡路大震災の時にも顕著に見られたことだ。


むかし海だったところや、川だったところは、現代ではわかりにくいことが多い。
だが、地名でそれがわかることも少なくない。
また田んぼだったようなところも同様だ。
地盤が弱い土地に、どんなに強固な民家やビルを建てても、無駄なのだ。
このブログやTOCANAの記事で私が何度も書いてきたように。

台湾地震預測研究所の林湧森氏が予知

台湾の地震預測研究所(地震予測研究所)については、過去の記事やTOCANA記事で何度か紹介していた。
今年2月6日の「台湾南部地震」を発生2日前に予測し的中させたことで日本でも知られるところとなった。
地震預測研究所では、台湾各地や上海に設置した観測計で電磁波を計測し、数値グラフが過去に観測された地震発生前の波形と似た形を取った時点で地震の発生を予測する。


林氏は4/14 8:08投稿のブログで、「12日內 (1)北中台灣或中南日本 M7+」と予測していた。
12日以内に台湾北中部または日本南部でM7以上の地震が起きると予測していたのだ。


地震預測研究所: 2016-04-14 08:08 UTC+8 台灣各站修正地震預報:12日內 (1)北中台灣或中南日本 M7+ 或 (2)北海道、俄羅斯或阿拉斯加 M8+ 強震。


該当する地震が、同日に起きてしまったということになるだろうか。


実は、この林氏の予測を俳優でレゲエ歌手の窪塚洋介氏がツイッターで警鐘を発し続けていたという。
3月6日に「20日以内に日本でM7以上の大地震の可能性」という林氏の予測をツイートしていたそうだ。


予測期間を過ぎた4月に入ってからもツイートし続け、ついに4/14に熊本地震が発生したということになる。
意外な人物が、かなりマニアックなことに興味をもっていたんだなと感心する。


www.daily.co.jp
 

明日は我が身か

報道ステーションで、富川アナウンサーが益城町の倒壊した家屋を訪れた映像が流れていた。
それをサルちゃん(タイ人の家内)が見ていた。
私が「いつか東京もこうなるよ」と言うと、「起きないように祈ってね」と。
そう、それも私の役目の一つだと思っている。
亡くなられた方々の慰霊をすることも。


サルちゃんが、「地震が起きたらすぐに家を出るんでしょ?」と聞く。
「家から飛び出したら、瓦が落ちてくるよ」と私。
この辺も、タイの家屋とは事情が異なるのだ。
防災頭巾みたいなのをかぶらないと危ないよ」と答えておいた。


この首都東京でも、外国人にとって十分な防災の情報が行き届いているとはいえない。
それで、家族の防災教育も、大切な私の役割なのだ。


「明日は我が身か」
東京都に住む者にとって、いつ起きてもおかしくないといわれる首都直下地震への対策は必須だ。
それは政府や地方自治体に任せっきりではまずく、「自分たちの命は自分たちで守る」気持ちがないと、神仏も助けてくれないかもしれない。


※この記事の続報は下記の翌日の記事で書いています。


tankyu.hatenablog.com


※今日は紹介する余裕がなかったけれど、木村氏の本は今後危ない地域を知るには最適。

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