今日は、動物前兆かもしれない話題を。
イノシシの出没が、各地で相次いでいる。
場合によっては、人に危害を加えるケースも出ているようだ。
これらが必ずしも地震の前兆現象だとは言い切れないかもしれないが、その可能性があるかどうかを調べてみたい。
先日はクマの出没の件で勇み足があったかもしれないので、慎重に検討することにしたい。
現在は東北から九州・沖縄県までイノシシの出没があるようだが、今回は主に、東北から関東にかけてに絞って見ていくことにする。
鳥取県中部地震の前兆?
まず、これだけは西日本のケースになるが、鳥取県で10月中旬にイノシシ出没が相次いでいたという。
場所は、皆生温泉旅館街近くの皆生海岸。
農作物被害やけが人は確認されていないが、市は周囲に捕獲用のおりを設置し、市民に注意を呼びかけている。
http://mainichi.jp/articles/20161018/ddl/k31/040/515000c
下記のマップを見てわかるように、出没地の皆生海岸は、10/21の鳥取県中部地震の震源に近い。
下記の地元の人のブログによると、この地に40年近く住んでいるが、イノシシが出没したなど初めて聞いたという。
どうも例年にないケースのようで、これを考えると地震前兆としての動物異常行動の可能性がありそうだ。
じつは、これだけではなかった。
10/15、岡山県津山市宮部上の山あいの畑で、子ヤギが腹部などをえぐられた死骸で見つかった。
岡山県は、これはイノシシに襲われたと断定した。
宮部上の位置は、上記のマップに記しておいた。
ここは、鳥取県中部地震の震源から30Kmくらいで、前述の皆生海岸も震源からそのくらいの距離がある。
ただし、こちらのケースは例年あるかもしれず、更に調べる必要があるだろう。
福島県
10/196:50頃、福島県北部の二本松市の市道で、近くの住民がイノシシ1頭を目撃した。
また10/23 17:50頃には、福島県耶麻郡猪苗代町のJR磐越西線上戸―中山宿間で、上り快速電車がイノシシと衝突し、緊急停止した。
乗客80人に怪我はなかった。
10/29群馬県高崎市
10/29朝、群馬県高崎市のJR高崎駅西口近くに野生のイノシシ1頭が出没。
警察や地元猟友会などが出動したが、イノシシは1時間以上逃走し、逃げ込んだ駅前の立体駐車場の8階から転落して息絶えた。
千葉県・長生村
千葉県の九十九里浜に面した千葉県長生郡長生村では、イノシシの目撃情報が相次いでいる。
10/12に内陸部の金田地区で3頭が目撃された。
その後、信友地区、沿岸部の一松地区でも目撃情報があった。
長生村は平地が多く大規模な山林がないため、これまでイノシシの目撃情報は少なく、海岸近くで確認されたのは初めてだという。
こういう場合は、他の地域よりも注意が必要かもしれない。
特に房総半島東方沖では、群発地震が続いているので。
過去の大地震の前兆かもしれない例
以上、福島県と関東地方の例を挙げてきたが、他にも探せば色々あると思うし、また西日本では四国などでも出没がある。
クマのケースと同様に全国各地に渡っていて、これらすべてが地震の前兆減少だとするには無理がある。
だが、その一部でもその可能性はあるかもしれず、まとめてみた。
自分にとってのバイブル的資料である「前兆証言1519!」(阪神・淡路大震災の証言をまとめた本)では、イノシシに関する報告が2件ある。
神戸市の六甲山中腹では、春先などに時々子連れのイノシシが山から降りて来ていた。
前年1994年の暮れ頃からは、頻繁に出没するようになった。
隣の地域では、スーパーで買った食料の包をイノシシに奪われる事故も起きていた。
自宅や隣近所の家では、庭のフリージアやユリの球根が根こそぎ掘られて食べられた。
20年来はじめての体験だった。
前年暮れの押し迫ったある夜には、夫婦で散歩に出かけた際に、2匹のイノシシが路上で道を塞ぐように寝ていた。
声を出して脅しても逃げず、しばらく睨み合いが続いたが、根負けして、別の道を迂回した。
その後も3日に一度ほど夜にイノシシが現れたようで、あちこちで新たに掘り返されていた。
同じ神戸市で、地震の前日の夕方に、街中の駅前にイノシシが現れた。
場所は東灘区のJR東海道本線の摂津本山駅で、その北側には六甲山がある。
交通量も人通りも多いところだが、そこで大きなイノシシがゴミを漁っていたという。
神戸市では恒常的にイノシシの出没が多いようなので、その点は考慮すべきだろう。
東日本大震災のケースでは、発生した日の朝に、千葉県でイノシシを見たというブログ記事がある。
場所は君津市にある久留里1000年の森で、7時半頃に公園に着くと、イノシシが目の前に現れ、何か地面の中から探し出す動作して歩き回っていた。
イノシシが昼間に出没するのは珍しいとある。
全体的に見て、イノシシの出没というのは微妙なところがあって、たとえば冬眠している動物が極寒の時期に突然出現して、その後に大地震が起きたといったインパクトがある例はない。
地震との関連については、もっとデータを収集する必要がありそうだ。
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